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「いやぁ、実はさ。
この前の企業説明会で、俺、あの会社にエントリーシートを出してたんだよ。
だけどその内容に不備があった事に気付いて、こうやって今日、こんな姿であの店を訪問してたって訳さ。」
大智は見せびらかすかのようにスーツのジャケットを脱ぎ、自分が掛けていた椅子の背もたれにそれを引っ掛けた。
Yシャツから見える細い腕。
その見た目は頼りなさげだけど、彼はしっかりと自分の将来に向かって動き出している。
「そっかそっか。
しっかり就活頑張ってるんじゃん。」
4年制大学に通う同学年の彼は、これから社会に出るため必死に頑張っていた。
それなのに私は、まだ1年と少ししか経っていないのにもうリタイアしかけている。
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