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「ありがとうございました。
それでは、失礼致します。」
手前に立つ若く背の低い男性は、奥に立っていた中年の男性に向かい深々と頭を下げている。
そして彼が顔を上げ後ろを振り返った瞬間、彼の顔を見た私の全身に緊張感が走った。
「あ・・・!!」
目が合い思わず声を漏らす。
きっとそこにいた相手を見て驚いたのはお互い様だった。
「え・・・笑美・・・!?」
彼は驚きを隠しきれないといった様子で、私の顔をじっと見つめている。
そして私も、彼の目から視線を離す事ができなかった。
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