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「あ、僕靴裏にガムテープ貼ってないんですけど、脱いだ方がいいですか?」
「そのままで大丈夫ですから、気にしないで下さい。」
椅子に座った瞬間、ストロボが瞬く。
「っ...」
(眩しっ!!)
生まれつき色素が薄いのか、瞳の色は茶色がかっている。
そのせいなのか、乱視のせいなのかはわからないけど、光が乱反射するため眩しいのは苦手だ。
宇野さんはカメラと、パソコンで露出をチェックしている。
「うん...やっぱりモノクロかな。あ、無理して笑わなくてもいいですから気楽にしてて下さい。」
(そんなこと言われても...)
無言で照明の位置を調整し、その都度ストロボが炊かれる。
見慣れた光景だが、いざ自分がその真ん中にいると思うと慣れない雰囲気に、思わず畏まってしまう。
カメラを前にして、満面の笑顔で笑ったり、挑発的なポーズをとったりするモデルさんたちって凄いんだな...
改めて知る事実に凄いなあと感嘆し独り言ちた。
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