第1楽章

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~第1楽章~  カーテンの隙間から差し込んでくる、一筋の光。  眠りを妨げようとするそれを、頭まで布団を持ち上げて遮る。  ――コンコンっ。  今度は扉を叩く音がして、眉間に皺を寄せた。 「入るぞー?」  聞き慣れた声。  そして、扉の開く音。 「――まったく。高校に上がっても寝坊は直らないのか?」  体を揺すられる感覚に、意識が更に浮上する。  次いで布団を捲られて、体を縮こませた。 「んー……さむい」  更に追い立てるようにカーテンがシャッと開かれ、眩しさにギュッときつく目を閉じてから、ゆっくりと瞼を押し上げた。 「そろそろ起きないと、初日から遅刻するぞ。おばさんも心配してたしな」 「……うー…ん」  生返事。  まだ頭が働かない。  ぼんやりする頭を動かして、目の前に立つ相手に視線を上げて行く。
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