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「ほら、できたぞ」
「……ありがとう」
髪に触れると、綺麗に編み込まれた感触が指に伝わる。
可愛く結ってもらったことで、少しだけテンションが上がった。
しかしそれ以上に、母親の方が嬉しそうに声を上げた。
「あらー。相変わらず器用ね!錬くん」
「これも昔からやってることなんで、すっかり慣れさせられましたよ」
「いつになったら音羽は、錬くん離れするのかしらねえ」
「…お母さん、煩い」
プゥと頬を膨らませてソファから立ち上がると、学校へ行く準備をする。
その間、リビングでは母親と錬次の楽しそうな会話が飛び交っていた。
(うーん……)
歌も歌いたいし、フルートもやりたい。
(どっちを、専攻しようかな……)
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