写真はみんなで作るもの

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コン……コン…… んー……うるさいなあ。 あれ……今何時? 枕元に置いてあるスマートフォンを探して電源をつける。 朝の6時になんだろう。さっきから窓に何かが当たる音がする。 私の部屋は2階だし、誰かがノックする音じゃないよね、虫でも当たってるんでしょ。 ここで起きたら負けな気がする。休日くらいゆっくり寝よう。 コン……コン……ゴン! 「んん? なに!?」 さすがに今のは尋常じゃない。鳥でもぶつかった? 恐る恐るカーテンを開けてみる。 雲ひとつない快晴だ、太陽がまぶしい。 「こんないい天気なのに朝早く起きてしまった……二度寝しよ」 コン…… また始まった。よく見ると小さな石が投げられているみたい。 「こんなイタズラをするような子どもなんてこの辺にいないんだけどなあ」 私の家の周りには子どもは住んでないし、何か野生動物でも出て来た? 猿とか? 恐る恐る窓を覗き込む。 コンコンと小石が窓を叩く音、その発生源に写真部部長がいた。 「え? こんな朝早く何してるんですか! ていうかなんでうちに来てるんですか!」 「おう、やっと起きたかー、いくぞー」 部長の両肩には大きなカメラバッグが下げられている。ウロウロと落ち着かない様子で辺りを散策していた。 「今日何か予定入ってたっけ」 もう一度スマートフォンを開きカレンダーを確認。そうか、撮影会があるって行ってたっけ。でもまだ朝の6時、早すぎじゃないですか。 「何でこんなに朝早いんですか!」 「いやー、昨日は楽しみで眠れなくてさ。早く行くぞ!」 さすがに外で待たせるのも悪い。というか早くしないと勝手に私の部屋まで乗り込んできそうな勢いだ。 「仕方ない、着替えよう……」 はあ、せっかくの休日だったのに。そもそも集合場所は動物園だったはずよね。 「あ、朝の挨拶を忘れる所だった」 「おじいちゃん、行ってくるねー」 玄関を開けると朝の冷たい空気が流れ込んでくる。さわやかな朝だ。 「先輩おはようございます」 「おう、待ちくたびれたぞ」 「こんな朝早くに出発しても動物園開いてないですよ?」 「それくらい分かってるさ、歩きながら朝飯前の撮影会を始めるぞ!」 「そういえば朝ご飯まだ食べてなかった……はあ」 「それじゃ出発!」 「ところで先輩の家からうちまでどうやって来たんですか?」 「歩いて来たよ、2時間くらいか?」 こうして初めての撮影会が始まった。
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