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睨むというより、表情が消えた。
悟の怒りメーターがマックスになると、こうなる。
『怒るなよ~忘れちまった事はしょうがないじゃないかぁ。教えて♪』
これ以上怒りを増幅させないように、悟を右手で包み頭を肩に乗せて、可愛くおねだりしてみた。
いくら待っても返事がないから、覗き込んでみると、顔を真っ赤に紅潮させ天を仰いでいた。
さて、どうしたものか?
今日はやけに俺の知らない悟を見ている気がする。
右肩に置いていた手を後頭部へ移し、此方を向かせる。
目が合った途端、耳や首までもが染まりだし、髪に差し入れた指にジワリと汗が滲み出すのがわかる。
『そんなに純情だったとは知らなかったなぁ~』
日頃の恨みを返すチャンスがきた。
『誰が俺の可愛い悟ちゃんを振ったんだよ~もう忘れたりしないから教えて♪』
真っ赤に染まった首に猫のように頭を擦り付けてそう言うと……
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