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起きる。
当たり前の日常の中に居た神風優雅[かみかぜ・ゆうが]は、朝の穏やかな空気と布団の匂いに包まれ、いつもより数秒早く、その重い瞼を開ける事に成功させていた。
だが、まだ眠い。
誰しも、朝の一分一秒は非常に貴重である。
その重い瞼は、一度は日の目を拝みながらも、深く貴重な時間を蝕もうと、日の光の迎えを閉ざし、門を下ろそうとしていた。
そう、普段の神風優雅なら潔く、その門を下ろしていただろう。
が、下りる直前、日の目を拝んだその目は、いつもとは違う光景を映し出していた。
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