プロローグ

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「あぁ。母さんが言ってた。確かに見たんだって」 「ふーん」 「ま…。おまえに話した所で、どうしようもないな。ちょっと話を聞いて欲しかったんだ、気にしないでくれ」 「俺も、この夏休みは別荘行こっかな」 「な」 「本当はそれを言いたかったんだろ?一人じゃ怖いんだろ?」 「違う。勘違いも甚(はなは)だしいぞ。おまえは来るな」 「いや行くし。夏休みだし」 「僕の父さんの別荘だ」 「俺の父さんでもあるだろ。こーいう時だけ誤魔化すなよ」 「嫌だ。来るな!僕は勉強に集中したいんだ!」 「勉強の邪魔だけはしない。約束するよ。部屋数も半端ねぇし」 「僕が別荘に行くのは、君と距離を置きたいからでもあるんだ。なのに君が来たら意味がないじゃないか」 「どうせ、広ぃーろい屋敷じゃん。心配しなくても、十分距離は置けるだろ」
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