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「桜花ちゃん団子ふたつできたよ~」
調理しているのはお美禰さんの旦那さんの錠之心さん
錠之心さんは厳つい顔をしていて、最初に顔を会わせた時にビクビクしてしまった。
しかし、そんなことに慣れているのか気を悪くした風もなく、優しく接してくれている。
この顔ではお客さんも入らないんじゃ・・・と失礼にも思ったけれど、そんなことは全くなく、毎日お客さんはたくさんの人がきてくれる。
ふと着物の裾が引っ張られてそちらの方を見ると、3才くらいの女の子が立っていた。
「どうしたの?お姉ちゃんにおなまえ教えてくれる?」
屈んでその子に話しかけると、その子はニコニコしているだけで何も言わずに桜花に抱き着いてきた。どうすればいいのか分からずただ頭を撫でていると、20代くらいの男性が走ってやってきた。
「お凛~ここにいたんか。はぁはぁ・・・、勝手に走って行ったらあかんやろ。
あ、お凛がご迷惑おかけしました。」
(この子の名前凛ちゃんっていうんだぁ。)
その男性は桜花のように屈んでお凛に視線をあわせると少し叱った後、こちらに向き直って謝ってきた。
桜花「いいえ。大丈夫ですよ。女の子の名前お凛ちゃんっていうんですね。 私は桜花と申します。1週間ほど前からお世話になっています。」
「あぁ、そうやったんどすか。私は朔太郎いいます。
こっちは娘のお凛。生まれつき声が出えへんのです。」
(そうかぁ、だから私の質問にこたえなかったのね。)
……。
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