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桜「お凜ちゃんはいくつなのかな?」
お凜に優しく問いかけると、お凜はニコニコしながら指を3本立てた。
「へぇー3つなんだぁ。」
桜花が呟くと、お凜は嬉しそうにコクンコクンと頷く。
「あ、そうだ。お凜ちゃんおいしいお団子食べる?」
桜花の問いかけにお凜は目を輝かせ、隣に立つ朔太郎を見上げる。
「朔太郎さん大丈夫ですか?」
「あ、うん。そうするよ。
お凜、お団子食べてから親父さんとこ行こか。」
その言葉を聞いたお凜は、朔太郎の手を引き、空いた席に座った。
その後、お団子を食べて眠くなったのかお凜は朔太郎さんの膝枕でぐっすり眠っていた。
「んー。どないしよ。」
朔太郎は困り顔でお凜の髪を撫でていた。
「ふふふ。お凜ちゃん寝ちゃいましたね。そういえば朔太郎さん、この後用事があったのでは?」
「はい、実は昼から仕事が入っとるのですがお凜の寝顔見ていると起こすと可哀想で……。抱きあげた時にどうも起こしてしまいそうでね。」
朔太郎は苦笑しながら参ったなー、とこぼす。
「あ、朔太郎さんちょっと待っとってください。」
桜花はそう言うと、店の奥に行ってしまった。
「待っとって……って筑後の方言?」
朔太郎は目を細め遠くを眺める。
しばらくして戻ってきた桜花が戻ってきて
「朔太郎さん、お凜ちゃんは私が預かっておきますよ。」
「いや、それは申し訳ないから大丈夫だよ。店の手伝いがあるんだろう?」
「あ、それは大丈夫ですよ。今日は午前中だけおばあちゃんがいないんですが、もう少しで帰ってくるし、おじいちゃんもいいと言ってくれました。それに私がお凜ちゃんと仲良くなりたいんで!!」
桜花が矢継ぎ早に言葉を重ねると、朔太郎は「ありがとう」と何度も振り返りながら走っていった。
朔太郎が角を曲がり見えなくなると、手拭いを頭の下に敷いているお凜ちゃんの元に戻る。
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