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朔太郎が角を曲がり見えなくなると、手拭いを頭の下に敷いているお凜ちゃんの元に戻る。
桜花はお凜ちゃんの寝顔を眺めて、五歳離れた妹を思い出す。12歳で反抗期に入ったのか、この頃は相手をしてくれなくて結構さみしい。
(でも……この時代には家族も、ミラもおらんとよねぇ。ミラは彼氏と仲良くやっとるやか。みんな、私がいきなりいなくなってビックリしとるとやか。探してくれとるやか。
……私の存在がなかったことになっとったらどげんしよう。)
1つのことを考えだすと、いろいろなことが頭に浮かんできて、鼻の奥がツーンとなり、視界がぼやけてきた。
すると、いきなり肩をたたかれてビクッとなりながら、後ろを振り向く。
「こんにちはー、
って、涙出るまで驚いたの?」
一週間も顔を出さなかったあいつがいた。
「違うし!そんなんじゃないけん!!
小十郎こそ何ばしよったと?一週間も顔を出さんで。」
「え、何。私に会いたかったわけ?」
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