第1章

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「おうかちゃーんお団子二つちょうだーい」 「こっちにお茶おかわりくれ~」 「おうかちゃんこっち向いて~」 お美禰さん夫婦にお世話になるようになってから一週間がたった。 桜花は何もせずお世話になるのは申し訳なくてお二人が営む甘味屋で働かせてもらっていて、お客さんにはお二人の遠い親戚と話していて、ほとんどの人が優しく接してくれていた。 桜花「はぁ~いちょっと待っとってください」 桜花は此処に来た日以来お美禰さんからこの時代のことを教わったりしている。 桜花が一番驚いたのは、女性は着物の下には襦袢という着物の下には何も穿かないこと。 最初はスゥスゥした感じで違和感がすごかったけれど、今ではそんなに気にしないようになっていた。 そして、桜花は身長165センチと現代ではおかしくないが、江戸時代の女性と比べて高すぎて、大通りを歩いていたりすると、男の人から見上げられることはザラで、通りすがりに小声で「女のくせに」「男おんな」と言われたりもする。 着物は私にあう丈のものがなくて、しばらくは男物を着ていたがそれを不憫に思ったお美禰さんが呉服屋さんで桜花に着物を2着も誂えてくれた。 ちなみに此処に来た時に着替えさせてくれたのはお美禰さんだったそうな。 髪型は島田や丸髷がいいとは思うけれど、なんか嫌だったので、頭頂部より少し下の方でお団子にしている。 小十郎はといえば、あの日以来会っていない。 ・・・というかお美禰さんに小十郎の事を聞いても 「さぁね~。どうなんやろかねぇ。」 と、何か知ったふうではあるが何も教えてくれない。 自分がなぜ江戸時代に来たのか、帰る方法はないか探してみたいけれど、まだこの時代のことをわかっていないから面倒事がおきても対処出来ないため、小十郎に協力してもらおうと思っていた。
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