プロローグ

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さて、睡眠ついでに俺についての説明をしておこうと思う。 俺は今、母親と二人暮らしをしている。父親はいるが、単身赴任で海外に住んでいる。 俺は中二。二つの意味で中二なのだが、俺には今夢がある。 その夢というのは平凡な人生をおくる事である。何処にでもいる平凡な中学生、特に目立った才能もなければ顔が整ってるわけでもなく、ましてや金持ちというわけでもない。それなのに何故か複数の可愛い女の子から言い寄られる。摩訶不思議な事件に巻き込まれる。実は伝説の勇者の血をひく選ばれた者。 そんな何処にでもいる平凡でありきたりで、良く言えば王道。悪く言えば使い古された。そんな主人公になるのが俺の夢だ。 そんな夢への第一歩として、俺はまず一人暮らしをしたいと願っている。 平凡な主人公の元へは突然美少女が現れて、何故か同棲を始めるものだと決まっているのだ。そして、そんな時には決まって家族全員が不在なのだ。 だから俺は、突如現れる美少女と同棲する為に毎日のように母親に、父親のもとへ行くように促していた。 簡単な説明をし終えたところで、目覚ましが鳴った。 起床時間だ。だが俺はすぐには起きない、目覚めの良い俺は今すぐにでも、何なら目覚ましが鳴る15分前にでも布団から出られるのだが、そんな事はしない。 なかなか起きずに幼馴染の女の子がおこしに来てくれるのをじっと待つ だが、そんなささやかな夢も今の俺には叶わない。 俺をおこしに来たのは、勿論母親だった。
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