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3話「転校生がやってきた?」
「あー、お前はあの時のーーー」
俺はガタッと音を立てて椅子から立ち上がるとそう叫んだ。
担任に呼ばれ教室に入ってきた転校生は、あの日空から落ちてきた女の子だった。
あの時とは髪の長さが違っていてとても短くなっていたが、間違いなくあの時の女の子だった。
俺は、彼女の言葉を待った。しかし、女の子はきょとんとしているだけで何も喋ろうとしない。普通こういう時は「貴方に会いにきました」とか何とか言ってクラス中の注目を集めながら俺に抱きついてくるものだろう。
だが、それがなかった。しかたなく俺は転校生に目で合図を送ってみた。
転校生と目があう。何故か反らされた。
担任が口を開く。俺は正直ナイスと思ったが、その直後に発せられた転校生の言葉に絶望する事となった。
「あんな人知らないッスよ~」
緊張感とは無縁なその声が俺の心に鋭く突き刺さった。
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