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一成が川戸高校で高校生活を送るにあたり文芸部に入ろうと決めたわけは簡単だった。
中学のときも文芸部に入っていたので活動に慣れていることと、川戸高校では全員部活動をしなくてはならないからである。
もっとも中学のとき文科系の部活に入ったのは一成の意志ではなく、父親の数広(かずひろ)の意向によるものだ。
父親に無条件で従っていた三年前とは違い、父親に反抗してでも自由に生きようと思う今は運動部に入っても構わないのだが。
どうしても高校生活がスポーツに明け暮れて終わってしまうことを楽しいとは思えなかった。
特にやりたいことがあるわけでもないが他のことに時間を使いたいと一成は思っていた。
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