プロローグ

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 ボールは綺麗な軌跡を描きキャッチャーのミットの中に吸い込まれる。  「打ち取った」  ピッチャーが自分の仕事をやりとげたという確信を強く感じたとき、審判が試合終了を宣言する声が聞こえた。  「やった」  ピッチャーは喜びの声をあげる。 ※※※ 「ありがとうございました」  試合相手への挨拶が終わると皆で改めて試合に勝った喜びを爆発させた。  ピッチャーはその喜びの輪の中で、改めてソフトボール部の全員に対して深く深く感謝していた。 「ありがとう、捕りにくいドロップボールを毎回きちんと捕ってくれて」 「ありがとう、いつも全力で守ってくれて、ありがとう、ヒットをたくさん打ってくれて。本当に本当にみんな、ありがとう」  それはよく晴れた、本当に美しい日の出来事だった。
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