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俺たちは姫野さんを見送るべく玄関に向かった。
「その…」
玄関の前で姫野さんは立ち止まって何か言おうとしている。
「はい?」
俺も氷河も姫野さんが何を言おうとしているのかわからず首を傾げている。
「…ありがとな。」
下を向きながら姫野さんは言った。
「姫野さん…」
あのちょーツンデレの姫野さんが素直に礼を言うなんて…
「とっ、とにかく。頼んだぞ。」
姫野さんはまだ照れているのか耳が赤い。
「はい。」
幹汰が惚れた理由がわかる気がする。ま、氷河の方がかわいいけど。
「あと氷河に何かしたら許さないからな!」
照れ隠しのように姫野さんは慌てた声で言った。
「まだ何もしてませんよ。」
てか氷河は男とヤれるなんて思ってないだろう。
「まだとか言うな変態!」
扉を強く閉めて姫野さんは部屋から出ていった。
「…ねえ。」
氷河が服を引っ張りなが俺を呼んだ。
「どうした?」
お兄さんと別れて淋しいのか?と聞くと氷河は首をふった。
「僕のこと好き?」
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