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氷河は期待した目で言った。
「なっ、なんだよいきなり。」
そんな発言するなんて氷河らしくない。姫野さんと何か話したのか。でも…
「ねぇ、僕のこと好き?」
氷河は何も言わない俺を悲しい目で見ていた。
「…ああ。」
そんな簡単に『好き』だなんて言えるかよ。
「ねぇ好きって言って?」
それでも氷河は期待した目で俺を見ている。
「どうしたんだよ。まさか酔ってるのか?」
いつもの氷河だったら絶対にこんなこと言わない。俺が見てない間に酒でも飲んだのかも知れない。
「違う。」
…だよな。冷蔵庫には酒なんて入ってない。
「僕は好きだよ。」
氷河は照れ臭そうにでも俺の目を見て言った。
「……。」
あの人見知りで中々素直になれない氷河が俺を好きって…
「ねぇ、好きって言って?」
氷河は期待した目で俺を見ている。
「…好きだよ。誰よりも愛してる。」
俺は氷河の背中に手を回し体を引き寄せ言った。
「…っ。」
氷河は顔を赤くすると俺に抱きついてきた。
「なんだよ。顔見せろ。」
顔が赤くなっている氷河なんて貴重なんだからしっかり見ておきたい。
「…嫌だ。」
そういって氷河は俺から離れようとしない。ま、これはこれでいいけど。
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