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昇降口に向かいながら携帯を確認すると、知らない番号からの着信。 誰だろう、そう思いつつもどうする事もできないので再び鞄に閉まった。 学校から家までは徒歩で20分かかる。 さっき準備室を出たのが丁度18時30分頃だったから、19時までには間に合うだろうか。 淡い光の灯った街灯が照らす通学路を足早に進むが、5月と言っても夜は大分肌寒くなる。 時より強く吹く風が容赦無く素肌を刺激し帰路を急がせた。 ポツりと、頬を濡らすのは降り始めたらしい雨粒。 「今朝の天気予報じゃ雨の予報なんてなかったのに…」 そんな誰に言うでもない不満は、肌寒い夜空へと小さく消えていった。
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