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「疲れた…」
大きくため息を吐くと、ぐっと背伸びをしながらソファに腰を降ろす。
柔らかなベージュ色のフローリングに、真っ白な壁。
新築らしい木の香りが部屋いっぱいに広がっている。
大きな窓から差し込む外の景色は既に夕日が沈み、漆黒の星空へと姿を変えていた。
「そう言えば、この間買っておいたアイスがあったような…」
そう思いキッチンへ向かおうと立ち上がった時、ピンポーンと言うチャイムの音が私の足を止める。
「……誰?」
こんな時間に突然来客者が来る事なんて今までなかった。
ご近所さん……かな?
そう思いながらも恐る恐るドアの方へ近づいて行く。
「回覧板です」
すると、ぼそぼそと小さな声がドアの外から聞こえてきた。
な、なんだ…回覧板ね。
「はーい」
ほっと胸を撫で下ろしドアを開けると、帽子を深く被り牛乳瓶の底みたいな分厚い眼鏡をかけた男の人が立っていた。
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