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いつの間にか青かった空はオレンジへと色を変え、夜風がガタガタと窓を揺らしている。 ふと壁に掛けてある時計へ視線を飛ばせば、針はすでに18時過ぎを指していた。 「ひとり暮らしはもう慣れた?」 「大分慣れましたけど、やっぱり家事が大変ですかね」 「はは、そっか」 半年前に図書委員になってから、ここで先生と他愛もない会話をする事も多くなった。 主に私の愚痴を聞いてもらっている気がしなくもないけど。 母が父の単身赴任先に着いて行く事になり、ひとり暮らしを始めた当初は散々話を聞いてもらった。 私は死に物狂いで勉強してやっとの想いで入れた学校があった為、こっちに残りたいと主張した結果ひとり暮らしを認めてくれた両親には感謝しているけど。 お父さんの知り合いが管理をしている、5階建てのマンションが今は我が家である。 「そろそろ下校時間か」 「ほんとだ、忙がないと」 前の席で同じように紅茶に口を付けていた小牧先生が、腕時計を見ながら呟いた。 黒い癖のない髪が微かに揺れ、次の瞬間視線がぶつかる。 「ごめんね、こんな時間まで」 「いえ、ご馳走様でした」
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