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ガタガタと少し大袈裟に鳴ったイスを手で押さえながら立ち上がると、通学用の鞄に手を伸ばす。
その時鞄の中に入れっぱなしだった携帯が目に入り、チカチカと新着を知らせる明かりが光っていた。
この色は電話の合図。
お母さんか、お父さんか。
それとも他の誰かか。
分からないけど、とにかく急いで身支度を整えると残りの紅茶を飲み干した。
「それじゃあ、失礼します。ご馳走でした」
「ご苦労様です。気をつけて」
私の姿を黙って見据えていた先生に一礼すると昇降口へ向かった。
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