第1章「欲しいモノ。要らないモノ。」

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眩しいくらいに私を照らすライト。 いつまで経っても鳴り止まないシャッター音。 「はーい、ポーズとって~。あーん、可愛いわ~」 甲高い、女性カメラマンの声。 耳鳴りがする。頭がズキズキと痛む。 早く、早く終わらせてしまいたい。 「よし、オッケ~。チェック入りマース」 数名のスタッフと一緒にモニターを除く。 笑顔の私。挑発的な表情をした私。 ここに写っている女の子は本当に私なのだろうか。 私ってこんな顔するっけ? 撮影の度に雑誌が店頭に並ぶ度に 私は何度も自問自答する。 質問への答えはこうだ。 __ううん、それはね。偽りの私なの。だから… 「本当の私を愛してくれる人は誰もイナイノ。」 耳鳴りと頭痛が少し酷くなった気がした。
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