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奈狐「は?」
茴「え?」
首を傾げる二人に、
「はぁ…『想い』、『配慮』、『動作』、『意思』。ぜぇんぶ見させてもらったよ。――それこそ、あなた達をほっ放り出してた数万年分全て…ね。」
語りかけ、最後の言葉を囁くと、
真意を読み解いてか、目を見開く二人。
茴「まさか…」
奈狐「嘘…でしょ?」
驚くのも無理は無いか…
茴は無意識の内に私を疑ってたけど、奈狐は…。
「今まで、あなた達を置いてってごめんなさい。」
そう言い、頭を下げる。
茴「い、いえ!あの、頭を上げてください!!何かしら事情があったんでしょうし…」
そう言ってくれる茴。
だけど、奈狐は………
奈狐「まったく…いきなり出来たばかりで右も左も判らない“どう云う物かは判るのに全く判んない”状態で茴と二人きりで置き去りにされて!しかも勝手に産んどいて全く気にも掛けないで勝手にどっか行っちゃってさ!確かに茴が居たし、追々色々と交流も出来てきたけどまず“この地球を作った人が必ず居て、その人が自分を置いた”ってのは判る!でも“誰かは判んない”って云うこのモヤモヤした感覚はどうする気だったの!?あー、もー!」
一気に言い募り、此方がぐぅの音も出せずに居ると。
奈狐「寂しかったんだよ、馬鹿っ!」
そう叫び、ふい と顔を背けられた。
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