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昔聞いたなぞなぞが今でも忘れられない 「笑わせ 励まし ときには怒らせ なのに無料で使えるものなあに?」 答えを知らなかったら 今の僕はいなかった 素通りしていくだけの波長が 心の中のどこかを震わせた わけもなく涙が零れて 胸を押さえた 心の中に広がっていた”ワカラナイ”が 形を持って握手を求めてきたんだ それは不安や恐怖と呼ばれていたけど なんだかうまくやっていける気がしたんだ 昔聞いたなぞなぞが今でも忘れられない 「世界の誰もが 平等に使え なのに全く減らないものなあに?」 答えを知らなかったら 今の僕はいなかった 聞き流していた音の並びが 急に僕の深くに染み込んだ 吐き出せない岩の名前が やっとわかった どうしても現せなかった”ワカラナイ”が キミのおかげでこの手で抱き締められたんだ ホントは僕が親になりたかったけれど 今日だけは目を瞑って僕と対話しよう 素通りしていくだけの波長が 聞き流していた音の並びが 変哲もないただの言葉が あの日あの時あのタイミングでは ずっと会えなかった僕だったんだ わけもなく涙が零れて 胸を押さえた はじめまして 今まで僕を苦しめていた”ワカラナイ”が 形を持つと愛おしく見えてきたんだ それは不安や恐怖と呼ばれていたけど 突き放していたのは僕だけだったんだ 心の中に広がっていた”ワカラナイ”が 形を持って握手を求めてきたんだ それは不安や恐怖と呼ばれていたけど なんだかうまくやっていける気がしたんだ
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