0人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「呆れた。
それで放って帰ってきたワケ?」
「いいわよ。
私が救い出してくるから」
「くれぐれも姫にこのことは話すな」と勇者は最後に締めくくっていた。
道中、決められた作戦はこうだった。
「ヤツは必ず俺たちの弱点をついてくる」
そう。
この世界の殆どは魔力、
言ってしまえば魔族たちの生命力を源として生きている。
本来ならお互いの均衡を保つ方が先なのだが、
彼らには共にあろうとする気がまるでなかった。
自分たちの私利私欲に走るあまり、
やりすぎてしまうものがしばしばあった。
相手はそんな者たちの長だ。
最初のコメントを投稿しよう!