第1章:ギルド

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「呆れた。 それで放って帰ってきたワケ?」 「いいわよ。 私が救い出してくるから」 「くれぐれも姫にこのことは話すな」と勇者は最後に締めくくっていた。 道中、決められた作戦はこうだった。 「ヤツは必ず俺たちの弱点をついてくる」 そう。 この世界の殆どは魔力、 言ってしまえば魔族たちの生命力を源として生きている。 本来ならお互いの均衡を保つ方が先なのだが、 彼らには共にあろうとする気がまるでなかった。 自分たちの私利私欲に走るあまり、 やりすぎてしまうものがしばしばあった。 相手はそんな者たちの長だ。
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