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「お疲れさん。今日も凄かったな!」
「ありがとう。お陰さまで繁盛したよ」
「そうかーーって、そうじゃねぇよ」
「ーーなにがだ」
「今日はお前は出ないはずだろ?突然来るから客がとられちまった。座長が嘆いていたよ」
「そうか?それは悪かったな。ちょっと体を動かしたくなったんだ」
レオと呼ばれた男は植木の縁に座り、露出した足を揉みほぐすジーナをみやる。
「体を動かしたいって、あのなぁーお前自分が国一番の舞姫だって自覚してるのか?まったく、昔からのんきなやつだな」
「国一番かどうかは知らないが、いいだろう。お前のとこだって相変わらずの盛況っぷりだったじゃないか」
「ーーまぁ今回は新しい剣舞の演目が目玉だったからな」
「なら問題ないな」
「ーーはぁ。まぁもう終わっちまったことだしいいけどよ」
レオはジーナの幼馴染みだ。幼い頃から整った容姿に身体能力の高さが際立っていたジーナは趣味で始めた踊りにのめり込み、秘めた才能はあっという間に開花。その舞いは友人に披露したのを皮切りに老若男女多くのひとを魅了し、ついには中央広場を舞台に名を広めていくようになった。
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