第1章

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目を覚ますとおかしな世界に居た。 おかしい。さっきまで友達と帰宅途中だったのに。 まだ開ききらない瞼を無理やりにこじ開ける。 いつもより瞼が重たい気がする。 ぼんやりとそんなことを考えながら周りの様子を見てみる。 何故かすごく冷静な自分が居た。 どうやら、私はカプセルのような物の中で眠っていたらしい。 大きさは成人男性がなんとか入れるくらい、ってところだ。 中学3年生で小柄な私にとってはかなりスペースに余裕があった。 ゆっくり体を起こす。 周りを見ると同じようなカプセルがたくさんあって 私と同じように中に人が入っているらしい。 だけど、誰一人目を覚ましていない。 私が見る限りは全員、体を丸めたまま深い眠りについている。 頭の片隅で なんだか死んじゃってるみたい… なんてとんでもないことをぼーっと考えた。 「あれれ、また一人目覚めちゃってるよ」 すると そんな声が聞こえてきた。
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