1人が本棚に入れています
本棚に追加
「何をぼーっとしているのよ~。ほら、早く入ってちょうだいっ」
「あ、はい…」
ニコニコしながら私を急かすこの人が一体誰なのか
それだけは何も分からなかったけど
とりあえず、この先へ進んでしまおうと
ゆっくりとドアを開ける。
…開けようとした、したのだけれど。
今、自分が置かれている状況を理解してしまうと
急に全てが怖くなった。
嫌だ。受け止めたくない。
私は。私はまだ…。
ためらう気持ち。突然の恐怖に
私はただ足がすくむばかりだった。
「…貴方の気持ちはすごく分かるわ。だけど、このままじゃいけないの。貴方は…自分の死を受け止めるしかない…そして”居残り組”から少しでも早く抜け出すのよ」
だから、こんな言葉
信じることができなかった。
信じても報われるとは思えなかった。
最初のコメントを投稿しよう!