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「おい!アレックス!」
アレックスは俺らの前で地面にへたりこんでいた。
「何があったの?」
「い…医院長の服が…」
アレックス指を指した先には血まみれの医院長の服が落ちていた。
「医院長…まさか…」
「非常口の側にあったから今まで見つからなかったのね…」
「クッ!もっと早く見つけてれば…こんな…」
アレックスはそう言いながら立ち上がった。
「…ん?何だこの膨らみは?」
服をよく見ると左ポケットに不自然な膨らみがあった。
「ちょっと、止めた方がいいよ!」
エルザの指摘に構う事なく俺は左ポケットに手を入れた。
ん?何か硬いものだ…
俺はそれを引き出してみた。
「こりゃ…本?」
「医院長の日記じゃないのか?」
その日記のフチには血のこびりついた跡が点々とあった。
俺は日記の最期に書かれている所を読んだ…
〇月▽日
今朝カルロスとアレックス、エルザ三人が私のもとにやってきた。
何でも三人が言うには昨日特異な患者が搬送されて来たらしい。
症状は強い悪寒とかゆみを訴えていたらしい。
そして全身の皮膚のただれ…この症状はあの事件と全く同じだ。
「ん?あの事件…あの事件って何だ?」
カルロスが言った。
こんな事はあってはならない。
もし、これが真実なら急いで始末をしなければ…
一先ず彼等を追い出して仕事をさせているが、今のうちにアレを始末しなくては…このまま放っておけば昔の事件の二の舞になってしまう…
なんとしても止めなければ。
念のため愛銃、グロック34を持っていこう。
これは誰にもばれてはいけない。
私と旧友だけの秘密だ…
「ここで日記は終わってる…」
俺は日記を閉じた。
「事件って…昔にもこれと同じ事が起きたって訳?」
「だが、俺とエルザは長い間ここに住んでるがそんな事件知らないぞ」
「この街のみんなが秘密にしてるってこと?」
アレックスとエルザが話してる間俺は医院長の服をもう一度探った。
「あれ?」
さっきは気付かなかったが左胸ポケットに銃が入ってるのに気付いた。
「これは…医院長の…」
中にはまだ弾が入っていた。
ズチャッ…
蛍光灯の明かりのしたに不気味な音が響いた。
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