希望への道

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「おじさん…昔、この街 で起こった事件の事知ってますよね…」 「!!……何故その事を …」 エルザは銃を眺めながらそう話し出した。 その言葉を聞いたジイさんは明らかに動揺していた。 「おいエルザ、事件ってあの医院長の日記に書かれてたあの…」 「私達がここに入って来た時、おじさんは…また昔のように~って言っていたよね。普通、そんな事言うのは前に同じような事がないかぎり言わないわ。」 「……」 じいさんは押し黙っていた。 「ねぇ、おじさん。あたし達にその事を教えて欲しいの」 「お前達には関係ない事だ。知らない方がいい」 「今の俺達は知る権利があるはずだ…頼むよ爺さん」 しばらくの間沈黙が続いた。 「……良いだろう。どうせいつかばれる事だ。」 椅子に腰掛けながら店主は静かに話し始めた。 「…あれは今から30年前も前の事だ、当時警官だった私はある事件を担当していた…」 「ある事件?」 アレックスが壁によっ掛かりながら質問した。 「死んだはずの死体が消える事件だ。私は最初死体好きな犯人の猟奇事件だと思っていた…だが間違っていたんだ。」 そう言うと溜め息を漏らした。 「数日後、街中に奴らが現れ始めた。当時ある怪病で次々と人が死んでいて沢山の墓が出来たんだが、その日埋められてた墓という墓は全て掘り返されていたんだ」 「それって…まさか」 「ああ、そこから奴らが現れたんだ。 私達は女、子供を家に隠れさせ、全員銃を持ち、奴らを退治することにしたんだ。」 「全員って街の皆で?」 「ああ、戦えるものは全てだ。この戦いは丸一日かかった…途中奴らに殺られたものもいた。」 「こうして無事全てを退治した…」 「ああ、その筈だった…」 「筈だった?」 「恐らく取り逃がした奴がいたんだろう。まさか 今更こんな事が起こるとは思いもよらなかった…」 「…で、その後は?」 「その後皆、家に帰ったが女と子供には何も話さなかった」 「そりゃそうか、知り合いを殺して来たんだもんな…」 「殺したのではない!安らかに眠らせたんだ!」 店主はカルロスにそう怒鳴った。 「…ともかく、こうして無事全てを終わらせたんだ。」 「それで、原因は何だったんですか?」 「ふむ、それが……」
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