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俺は慌てて店内を捜し回った。
もしかしたら護身用の銃があるかもしれない。
「お、おいカルロスどうしたんだよ。そんな慌てて…」
あった!……あれ?
俺が見つけたのは銃なんかじゃなくスタンガンだった。
「スタンガン?そんなのが欲しかったのか?」
「え?いや、その…」
「…銃持ってくるの忘れてたんでしょ」
相変わらずエルザは鋭い…
「……ハァ~、やっぱりそうだと思った」
やっぱり?やっぱりって何だ!
「ほら、」
そう言うと腰から自分の銃とは別のやつを出して俺に渡した。
「…へ?」
「貴方の事だからどうせ忘れてると思って持ってきたのよ」
エルザは呆れた顔で俺に言った。
「あ、ありがと…」
「あなた、私がいないとホント駄目ね!」
いえいえ、キミが強すぎなんですよ…
「ていうか、カルロス。お前あんま役にたってないな」
ギクッ!
「仕方ないわよ。前からそうだし」
ぅお--い!!
それじゃまるで俺が役立た……ずじゃないよな?
確かに今まで皆の役には立ってないよーな気がしなくもないが…
もしかして皆にとって俺は役立たずなのか!?
「…ま、それがあなたのいい所なんだけどね」
エルザは笑いながら俺に向かってそう言った。
いや…それはフォローになっていませんよ。
てか、俺みんなにそう思われてたのね…
「何がいい所だ…エルザ、お前だってこの前俺と一緒にいた時…」
ガチャッ!
いつの間にか俺の額に銃口が当たっていた。
「この前が何?…」
エルザはしゃがみ込んで笑いながら俺に銃を向けて言った。
笑ってるけど眼は確実に怒ってる。
だって眼が笑ってないんだもん!
「…で?何がいいたかったのかなぁ~?」
今のエルザは今までで一番恐い…
「お、おいエルザいくら何でもやり過…」
そう言い終わる前にもう片方の手で銃を出しアレックスに向けた。
「…ご、ご自由にどうぞ」
「ねぇカルロス、言ったよね。…今度変な事言ったら…」
「まだ言ってません!まだ言ってません!」
俺は慌てて言った。
「……そ、ならいいんだ♪」
エルザは銃を下に降ろした。
…いつか殺されるな俺。
こうして何とかその場は切り抜けた。
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