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「!?、カルロス!」
俺は床で流れている水に浸かりながら呻いていた。
そこへ鰐がトドメをさそうとすべく大きな口を開きながら向かって来た。
「カルロース!!」
エルザの悲鳴にも似た声が銃声と共に聞こえた。
その撃った弾のうちいくつかが奴の急所に当たったのだろうか、鰐は悲痛な咆哮と共に頭を俺の側から離した。
ドンドンドンドンドンドン!!!
目にも止まらぬ速さで銃に火が吹いていた。
余程堪えたのか鰐は先程破壊した穴へ逃げるようにして去って云った。
…ホントお前には驚かされてばかりだな…
「カルロス!?しっかりして!ねぇ!」
エルザは俺の体を抱え込みながら言った。
口から血が溢れ出る…
意識が…う…す…
「カ…ロス?ね…ぇ!カ……ス!」
気がつくと俺はベッドに寝かされていた。
俺は確か…あの鰐に…
「…気がついた?あ!動かないで!」
俺の顔の側にエルザがいた。
いつから居たのだろうか?
「エルザ…ここは?」
「あのあと気を失ったあなたを抱えて地上に出たの。そしたら運よく軍の車が走って来て、避難場所に連れて来られたってわけ」
「軍…まだ生存者がいたのか?」
「あたし達もそう言ったら軍の人が「それはこっちの台詞だ」って言われたわ。あそこにはあたし達しか生きてなかったみたい…」
「アレックスは…?」
「軍の上層部の人達に今までの事を話しに行ったわ。あの寄生虫の事もね」
「俺達は大丈夫なのか?」
「検査の結果、異常は無いって。あんな状況でよく感染しなかったなって褒められたわよ」
俺はその話を聞きながら起き上がった。
「…!!っく!」
「何してるの!あなた肋骨を3本折って内臓も傷つけたのよ!命に別状はないけど、しばらく安静にしないと…」
エルザはそう言って俺を寝かせた。
「…外はどうなってるんだ?」
「……ひどい有様だわ。安全なのは軍の施設だけだわ。世界中みんなこぅなってるみたい…」
「そんな…」
「とにかくあなたはしばらく休んで。回復したら詳しく話してあげるから…」
そう言うと俺の額にキスをして出て行った。
こぅして俺達は一先ずあの悪夢から脱出したのだった。
第一部 完
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