第二部 襲撃

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バンッ!! 「おお、命中!大分うまくなったなカルロス!」 俺が撃った弾はゾンビの頭に直撃し、地面へ崩れ落ちた。 あれからもう一ヶ月が経つ…肋骨は完治し、普通に暮らす程度にまで回復した。 おかげでやっとエルザの手を借りなくても飯が食べられるようになった。 それどこか、こうやって一発でゾンビを仕留める位に銃の腕が上がった。 …周りの状況は相変わらずだ。 一歩、軍のキャンプから出ればこの様にゾンビが出てくる有様だ。 あの事件からというもの、奴らは増え続けるばかりだ… 最近はゾンビ以外に変な化け物が出てくる始末だし、はっきり言って平和とは程遠い。 それにあの日から俺の体は… 「よし、今日はこのくらいだな…カルロス。キャンプに戻るぞ!」 アレックスはそう言いながら留めてあったジープに乗り込んだ。 アレックスはあの後医師の肩書を捨て、ゾンビハンターの仕事に就いた。 ゾンビハンターとはあの事件の後、軍が一般人にゾンビや化け物を殺した頭数に応じて金を支払う事にしてから出来た仕事だ。 今じゃ世界中のあちこちに彼等がいる。 ゾンビが消えないかぎり永遠に金の保障が約束されるとあってこの仕事に就く奴が後を絶たない。 だが、たいていの奴らは途中で辞めてしまう。 命の保障はされないため、途中で怖くなって辞める奴らがほとんどだ。 ま、中にはゾンビを殺すのが趣味になってる奴もいるがな… 俺はジープに飛び乗り、キャンプに戻った。 「よぅ、今日は何体殺ってきたんだ?」 軍服を着た黒人のオッサンは俺らに向かって言った。 「34体だよ。ほら…」 アレックスはそう言うと血で汚れた時計やアクセサリーをオッサンに渡した。 殺した数を確かめる為、こうやってゾンビの装飾品を渡すのだ。 渡した装飾品は綺麗に洗われ闇市に売られる。 ホント良くできたシステムだよ… 「…33、34、よし!じゃ、約束の報酬だ!」 そう言うと腰から札束を俺らに渡した。 今回の報酬はまずまずの値段だ… 「毎回毎回悪いな」 「いいってことよ!」 オッサンは真っ白な歯で俺らに笑いながら言った。
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