第二部 襲撃

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「おーい、今日の報酬だぞ」 アレックスは先程稼いだ金をエルザに分けた。 「なかなか稼いで来たみたいね。二人ともご苦労様♪」 エルザはあの後キャンプで医者の仕事を続けている。 こいつは医者より俺らの仕事の方が向いてると思うんだが… 俺らより銃の扱いが上手いし…あの事件の後からというものエルザは精神的に大分強くなって、ちょっとやそっとでは泣かない位たくましくなった。 それにともなって俺に対するいじめも酷くなっていった。 「どうせアレックスしか役に立ってなかったんでしょ?」 エルザは笑いながら俺を見てそう言った。 相変わらず酷い言いようだ… 昔の方がまだましだ… いや、たくましくなったのは喜ぶべきだと思うが、コイツは前から既にたくましかったからな… 複雑な気分だ… 「それにしても大分回復して来たわね、だからって余り無謀な事はしないでよ。 アレックス!あなたもよ!」 エルザは腕を組みながら俺らにそう言った。 「へいへい。分かっていますよ…」 …エルザには色々と感謝してる。 あの鰐に殺されそうになった時も、俺が怪我してまともに生活が出来なかった時も、こいつは必死に俺を助けてくれた。 ま、だから未だにこいつには頭が上がらないんだが… 「…とにかく疲れたでしょ?部屋に戻ってゆっくり休んだら?」 「そぅだな…じゃ、先に戻ってるわ」 「あ、俺はちょっと用事があるから。先に戻っててくれ!」 アレックスはどうせいつもの酒場で遊んでから帰るんだろ…あの後からというものあいつも随分変わった。 昔のように先輩ぶる事も無くなって随分おちゃらけた…もとい、くだけた人になってしまった。 あいつはそれで幸せなのならいいが、酒癖は相変わらずだ。 「…ふ~、疲れたな」 俺は自分の部屋でそう言いながら服を脱いだ。 鏡で自分の左眼を覗き込むように見る。 鏡に写った俺の左眼は猫の様に黄金色に光っていた。 あの怪我をした後から俺の左眼は少しずつ色が変わっていった。 エルザに検査してもらったが原因は不明の様だ。 左眼の色が段々と濃くなるにつれて俺の体にある変化が出て来た。 その変化というのは… コンコン! 「カルロス?居る?」 エルザの声が聞こえて来た。
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