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「……なぁ、なんだったろうなあれ。」
あのあと死体を霊安室に運んでロビーで皆で一息ついていた時アレックスがそぅ言った。
「さあ…けどとにかくやばかったのは確かだ」
「結構この病院で働いてるがあんな症状初めてだよ」
エルザはあの後しばらく泣きじゃくっていた。
無理も無い…
あんな事があったんだ。
俺はコーヒーを飲みながら自分の腕を見ていた。
患者の最後の力で掴んだ腕を…
「…全身の皮膚がただれ、腐れおちていたっていうのにあの患者は普通に生きていた。
あれじゃあまるでゾ…」
「考えすぎですよ。そんな事あるわけ……無いですよ」
アレックスは大きな溜め息を吐いて、
「…そうだよな…考えすぎだな……」
と言った。
「けど、なんかしらの重大な病にかかっていたのは事実ですよ。」
エルザはだいぶ落ち着いてきたようだ。
「感染症は大丈夫なんでしょうか?」
「さぁな。とりあえず俺らはなんともないから平気だろ。」
その確証は何処からくるのだろうか…
「とにかく、明日医院長に話さないとな…」
こうしてこの夜は更けていったのであった。
これから起こることも何も知らず…
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