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あれから数日後…
「おっさん!もう一杯!」
「アタシも!」
…一体こいつらはいつまで酒を飲むつもりだ?
「お、おいエルザ、もぅ止めたほうが…」
「うるさい!ほっといてよぉ!」
あの日の後、エルザは病院で生活態度についてこっぴどくしかれたらしい。
…ここで普通の一般人は反省をし、生活改善をするはずなのだが…コイツはひと味、いや…二味も違った。
コイツは先輩にそぅ言われた後、病院に一切勤務せずに昼間は俺達にずっとついていて、夜は俺を半強制的に連れて酒をかっ喰らうという完全ヤサグレモードに入っていた。
お陰で俺は毎日コイツに付き合わなければならない…
ハッキリ言ってキツイ…
つかオメー医者だろ!
少しは自分の体を心配しろよ!
「ほら、あなたもちゃんと飲みなさいよぉ!」
エルザはグラス片手に俺に寄り掛かりながらそう言った。
「ほら、カルロス。お前付き合い悪いぞ!」
アレックス…お前もだよ…
「ほら!とっとと飲めー!」
エルザは俺の口の中に酒を無理矢理入れさせた。
「ゴバッ!ちょっ…」
もろに飲んでしまった…
…やばい…俺、はっきり言って酒はそんな強くないんだ…ぅぅ……意識が…遠く…
「…どこだここ…」
どうやらあの後俺は気を失ったらしい。
…ぅぅ頭が痛い。
横ではエルザがのんきに気持ちよさそうに寝て…っておい!何で横にこいつがいんだ!!俺パンツ一丁だし!こいつ裸だし!
「んー…うるさいな……へ?」
エルザは隣に俺がいるのに状況が飲み込めないのか、ポカンとした顔で俺の事を見ていた。
いや、俺もまだ状況が飲み込めてないが、これってもしかして…
「な、何であんたがいるのよ!?」
いや、だからそれは俺も同じ…
「おーい、エルザ、カルロス起きてるか??」
ドアの前でアレックスの声がした。
「ちょっ!…とりあえず早く服着て!」
エルザは布団で体を隠しながら俺に言った。
どうやら俺らは酔った勢いでやっちゃったらしい…
「二人共二日酔いは大丈夫か?」
ニヤニヤした顔で車を走らせながらアレックスは俺ら二人に言った。
あのあとから俺らは一切話をしていない…
「…もしかして何も覚えてないのか?」
「……」
「……」
「…みたいだな…」
まさか俺の初がこいつとは…
…死にたい…
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