増殖

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タン!タン!タン! 俺が寝ていると突如、銃撃の音がした。 …ドンドンドン!! 「カルロス起きて!」 俺の部屋のドアを叩きながらエルザが叫んでいた。 「…なんだこの銃声は?」 俺は眠い目を擦りながらドアを開けて言った。 「表にゾンビ達が溢れかえってるの!」 「それもハンパな量じゃねぇ…他の怪物もだ」 エルザとアレックスは手に銃を持ちながら言っていた。 「…!?伏せて!」 ダンダンダンダン!! エルザは俺達にそう言いながら不意に飛び掛かって来たスピナーに銃弾を浴びせた。 スピナーは体から緑色の体液を飛び散らせながら地面に落ちた。 「…ふぅ…とにかく逃げるわよ!早く!」 「え?ちょっ」 エルザは寝癖の立ったままの俺の腕を掴むとアレックスと裏口へ走った。 「この化け物がぁぁ!」 「…うわぁぁ!!」 「みんな急いで車に乗れ!」 「死ね死ね死ね!この野郎がぁぁぁ!!」 表に出るとそこはもう俺達の知っている場所じゃなかった。 飛び交う銃弾 人々の叫び声 キャンプから離れる大量の車のエンジン音 辺りは騒然としていた。「急いで!アレックス。車は!?」 「こっちだ!」 俺らは離れた所にあるジープに向かって走った。 「このっ!邪魔だ!!」 アレックスは前方にいるゾンビに向かってショットガンを発射した。 ゾンビの体が四方へ飛び散る 「…よし、急いでエンジンを…」 俺達が車に近づいたその時!車が大爆発を起こした。 ドゴォォォン!! 「…!伏せろ!」 左眼でそれを見た俺はアレックスとエルザの肩を掴み、地面に倒れ込んだ。 ビュッ!……ガッシャーン!! 爆発した車の残骸は俺達の上すれすれに吹き飛んび地面に落ちた。 「ハァ…大丈夫か?」 「えぇ、何とか…」 「俺の車が……」 アレックスの有り金全てをはたいて買った車は俺達の目の前で無惨な姿で燃えていた… 「どうする!」 「どうするもくそも歩くしか… ダンダン!! …ないわね」 エルザは近づいて来たゾンビを撃ち殺しながら言った。 …ホント、コイツは強いな… 「どこへ逃げる?」 俺達は起き上がり、辺りを見回した。 「どこもゾンビだらけか…外へ出る前に弾が尽きるぞ!」 ふと足元を見るとそこには見慣れたマンホールが…
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