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「…というわけなんです医院長。」
次の日俺は今までの事を医院長に話した。
「ふ~、まさか私のいない間にこんな事があったとはね…
で、遺体はきちんと隔離してあるね?」
ここの医院長は前の奴みたいに嫌いじゃない。
60ちょっと過ぎて白髪が所々生えていて優しいそうな顔をしているが中身もそのまんま優しい。
まだここに飛ばされたばかりの頃はいろいろ助けてくれた。
「はい、一応他の遺体とは別の霊安室に袋をして隔離してあります」
「そうか…ならいいんだ。君らは大丈夫かね?」
「ええ、私達三人とも特に問題ありません」
「…一先ずその遺体を見たいんだけど、貴方達も来なさい。」
「え?は、はい」
ま、そりゃそうか
じぶん達が担当した患者だしな。
だがまたあの姿を見るのは何かと嫌だ。
俺らは医院長と一緒に地下にある霊安室に行くことになった。
「えっと確かロイさんは203番だった気が…」
そう言いながらアレックスは死体保管板を引き出した。
「あれ?番号間違えたかな?」
アレックスは周りにある板を全て引き出した。
しかしそこにあるのは全て空っぽの棺だけだった。
「ん?確かにここに置いたはずなんだが…部屋間違えたかな?」
「ちょっと待ってよ!あたし達は確かにここに置いたわよ!?」
「…一応他の部屋も確かめようぜ」
俺はそう言って他の部屋に行った。
結局このあと何も見つからなかった。
「…ホントにその患者はウチにきたの?」
医院長はそう言いながら
医院長室で俺らの前で煙草に火をつけながら言った。
「本当です!俺らは昨日、確かに患者を引き取りました!」
アレックスは少し興奮気味にそう言った。
「…君らの話を私も信じたいよ。だが、肝心の死体そのものが無きゃ信じられないよ。」
「例え、嘘をついたとして俺らになんの得があると言うんですか!」
「ちょ、少し落ち着いて下さいよ!」
俺は慌ててアレックスを抑えた。
「…とにかく、俺らの話は全て本当です」
医院長はしばらく黙り込んで
「とりあえず君らは仕事に戻りなさい。
後でもう一度確かめてくるから」
と言い、俺らを部屋から追い出した。
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