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そのあと俺ら三人は真面目に仕事を…やれるわけなかった。
ショックが強くて仕事に身が入らなかった。
俺は、ぼ~っと屋上の手摺りに腕を乗っけて景色を眺めていた。
そんな時俺の後ろで声がした。
「よっ!ずいぶんボケッとしてるね~、うらやましぃわ~」
エルザだ。
「…何だよ…そー言いながらお前も昨日の事が気になるんだろ?」
「まぁね、けど今は仕事に集中しなきゃ駄目でしょ?」
「出来るわけねーだろ。あんな事があったんだぞ!……そう言いながらお前、昨日随分泣いてたなぁ。」
「あ、あれはちょっと…」
「俺の隣でビービー泣いてさぁ、俺はお前を慰めるのに大変だったなぁ」
「なっ、あれは違っ!…」
「あげくの果てには俺の肩で泣い…」
バチーン!!
エルザの怒りの張り手が俺の左ほほに勢いよく入った。
「ふざけたこと言ってんじゃねー!」
続いて俺のみぞおちに左パンチが炸裂した。
「…ガハッ!!ち、ちょっと今のは冗だ…」
「やかましぃわボケー!せっかく元気だしてあげようと思って声かけたのに……サイテー!!」
トドメに俺の大事なとこに膝蹴りが入った。
「ぬぉっ!!…ぐわぁお、おれの大事な所が…」
これ、誰も見ていなかったからよかったものの、もし誰かに見られたら即警察だな。
「お~い、医院長見なかったか…って!どうしたんだよ、オイ!
…エルザ…お前がやったのか…」
アレックスが屋上のドアを開けながらそう言った。
「…別に、なんか急に腹と股間が痛くなったんだって。そうよね!」
「は、はい…」
俺には真実を言えっこなかった。
「とてもそぅには見えないが…ま、まぁいいや。お前ら医院長見なかったか?」
「え?医院長がどうかしたの?」
「いや、探してもどこにもいないんだ」
「も、もしかしたら地下に行ったんじゃないの」
俺はうめきながら言った
。
「そうか、確か朝言ってたな。よし、これから地下に行くがお前らも来い」
「い、いや、ちょっと待って。今起きるから…」
「全く情けないわね…ほら」
そう言うとエルザは俺の肩を持ち上げた。
「よし、じゃ行くぞ!」
アレックスはそう言って階段をおりていった。
「…今度何か変な事言ったら殺すからね…」
耳元でその言葉を聞いて冷や汗が更に出た…
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