感染

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「ねぇ、医院長本当に何処に行っちゃったのかしら。」 薬の整理をしながらエルザは俺に言った。 「さぁな。医院長あの話のあと黙りこくっちゃってなんか変だったけどなぁ」 「相変わらず遺体も見つからないし、そろそろ警察に連絡した方がいいかしら?」 「いや、まだ早いだろ。 どっかで遊んでんじゃないの?」 「いや、そんなキャラじゃないし……ねぇ、あの事件から少しおかしなことになってきてない?」 「医院長が消えた事?」 「いや、それもあるけどあれから病院内でへんな噂が広がってさ~」 「噂って何?」 「夜中、地下からうめき声がするってゆう噂……初めてそれを聞いた時、あの事がどうしても気になってね…」 「う~ん、消えた遺体、失踪した医院長…なんか関係あるのかな?」 そこへアレックスがやってきた。 「おい、そろそろ昼飯食いに行かないか?」 「ん?もうそんな時間か…うん!行くわよ。カルロス食べに行こ!」 「あ、あぁ」 医院長が消えた数日間俺らは何も出来なかった。 いや、単にしなかったんだ。未だに今まで起こった事が信じられなくて。 本当は何も無く医院長は長期休暇をとっていた…というふうにしたかった。 「やっぱここのコーヒーはうまいなぁ」 アレックスはそう言いながらコーヒーをすすっている。 いつも昼飯はここの酒場で食べている。 いや、酒飲むところで昼飯ってのもどうかと思うがなんかいつもここにいるから落ち着けるんだよね。 マスターとも顔なじみだし。 「…なぁ、あの事件はもう忘れないか?なんか忘れたほうがいいような気がするんだ」 アレックスはコーヒーをすすりながらそう言った。 「どうしてよ!医院長の事はいいの?」 「医院長には悪いがこのまま忘れればまたいつもの平和が戻ると思ってね」 「そんなの意味ないわよ!カルロス貴方もなんか言って!」 「へ?いや~俺は、その~…」 「全くだらしがないわね!とにかく、逃げることは許されないわ!そんなの卑怯よ!」 エルザは机を叩いてそう言った。 カルロスもそれ以上は言えなかった。 そんな会話をしていたらTVであるニュースが目に入った。 「…続いてのニュースです。最近体がただれて次々と死んでいく怪事件が増えています」
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