第1章

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「何してるの。危ないよ!」 「ミズキ……、こんなところで何してるの」 「なにって、買い物の帰り。ユウちゃんこそ何やってるの。なにか落としちゃったの?」  私は口の端だけで小さく笑った。 「買い物って、七味いっぱい買ってきたの?」  今度は彼女が口元だけで笑った。 「ねえ、いま時間ある? パフェ食べに行かない?」  夕陽に縁取られた彼女の長い髪は悪戯な風にさらわれ、一瞬彼女の表情を隠した。 「ねえ、行こう?」  頬にかかる髪を耳にかけた彼女は微笑んでいた。  私の返事を待たずに、彼女は私の手を掴んで歩きだす。 まるで早くこの場から立ち去りたいかのように。
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