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いつの間にか、息ができるようになっていた。
辺りは暗いままだったが、僕はその刹那、月が戻ったように感じた。
「君は誰?」
僕は尋ねる。
男の子は、僕からゆっくりと身体を離すと、質問に答えずに反復した。
『君は誰?』
「わからない。」
そう言うと、男の子はとても寂しそうに笑った。
『ごめんね。』
「どうして謝るの?」
不思議で仕方なかった。
この人は、何もしてない。
僕は何もされてない。
謝る理由なんてないのに…。
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