第1章

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俺は中学二年の3月に足下で輝いた魔方陣に導かれて異世界へと赴いた。 そこで待っていたのは平和とはかけ離れすぎた現実。魔王に支配された人類を救うために召喚されたが、ヒョロヒョロした俺にそれが出来るわけもなく。 毎日が修行の日々。しかし、勇者としての試練を乗り越えて素晴らしい力を女神から受け取った。それは『絶対記憶能力』だとか『状態異常無効化』などなど。 その世界では女神の与える試練を制覇すると素晴らしい力を貰える。これで、命を何度失いかけたか。数えることも馬鹿らしい。 こうして、『魔力』を手に入れ、鍛え上げた体に『身体能力強化』とか色々補助してたら魔王よりも強くなっちゃって、あっという間に魔王を倒した。 女神の与える試練は厳しいため、代役として俺が選ばれた召喚されたらしい。それくらい自分達の世界なんだから、自分でやれよと思った。 しかし、たくさんの仲間に囲まれて幸せだった。 魔王を倒した俺は役目を終えて勇者としての役割を終えた。再び魔方陣で俺は地球に帰らなければならなかった。 ただ、1つの心残りは素晴らしい肉体をした格闘家の仲間の体にまだ触れていたかった。 召喚されて勇者になって強い人達に憧れるうちに恋愛対象は男に。 俺はゲイになりました。 拝啓母さん ごめんなさい。 パァァァアアアアア…… 光が収まるとそこは地球で魔方陣に連れていかれたときの、あの路地だ。 なるべくあの日と変わらない時間に戻すと言っていたが……妙に景色変わってんだよな。 なめんなよ、今の俺には『絶対記憶能力』があるんだ。一度見たものは、記憶し忘れないぜ。 って……女神に与えられた力はこのまま? いや、嬉しいよ? 試しに魔力を練ってみた。 掌の上にほわんほわんと丸い球体が浮かんでいる。 そうか、女神から受け取った力は永続的に死ぬまで続くんだな。そういえば、そんなこと言っていたような……完璧に格闘家に褒められて舞い上がって聞いてなかったわ。 じゃ、契約した魔物は……うん。 無理。召喚できない。契約切るの忘れたけど、勝手にプツリと世界を渡ったことで切れたようだね。 あんまりなついてなかったしいっか! さて、家に帰ろう。 何日の誤差なんかな?
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