人生最高の瞬間

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僕と美樹が出会ったのはアルバイト先のレストランだった。 そこで僕らが同じ高校に通っていることも知った。 でもそれに気付くまでには一ヶ月以上もかかった。 美樹は高校の中ではひと際目を引く存在だったが 無口で笑顔も見せないおとなしい生徒でもあったからだ。 そのイメージのせいかアルバイト先で彼女を見たときに どうしても同一人物と気付くまでに時間がかかった。 そのくらいアルバイト先の彼女は 明るくおしゃべりが好きな女の子だった。 それは職業意識として明るく振舞っているというよりも 別の高校に通う博美の存在によるところが大きかった。 美樹と博美は同じ中学校に通っていた。 僕ら三人はなかなか一緒に働く機会はなかったが、 二人の仲の良さと 博美の微笑みに隠されているその優しさは 瞬時に感じ取ることができた。
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