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「し、失礼しまーす…」 ホームルームが終わった私たちはようやくのことで卓球部の部室の前に辿り着いた。 仮入部期間が終わり、正式な卓球部員としては1日目。 緊張しながら3人で扉を開けると中に入る。 この学校の卓球部はプレハブ小屋のような場所で練習を行っている。 そのため校舎とは少し孤立した場所に建てられており、この建物を使っているのは卓球部員のみだ。 校舎のように廊下と各部屋がしっかりとあり、授業でこのプレハブの部屋を使うことも珍しくない。 廊下を歩いてすぐの部屋にどうやらメンバーが集められているようだ。 今日で仮入部期間も終わり。 所属メンバーがはっきりと決まる。 一番最後は私たちだったようで廊下に無造作に置かれている荷物の山と同じように自分たちの荷物を置き中に入る。 て、なんだ!? この人数! 予想していた以上の人の多さにちょっぴり気が引ける。 「ここにいる人たちってみんな卓球部に入る人なのかな?」 知香に耳打ちされて私は遥加と顔を見合わせる。 部活発表で賑わせていた吹奏楽部ならまだしも、なんのパフォーマンスも見せていなかったはずの卓球部がどうしてこんなに賑わっているのやら。 3人して不思議に思いながらも中で待っている人らしき団体に紛れ座って様子を見ることにする。 「これって、顧問の先生を待ってるんだよね?」 「たぶん?」 知香の疑問に答えると同時くらいに部屋の扉が開かれた。
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