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土曜日…
…
卓球部に正式に所属してから約一ヶ月。
私たちはようやく素振りで玉を打つことが出来るようになっていた。
卓球ってこんなに奥が深いものだったんだ。
「神林さん、それ素振りの動きがおかしい」
え?
「こう、だな」
素振りの練習をしていた私の後ろに清水先生が立つ。
私が持っていたラケットのグリップを後ろから軽く握ると一緒に素振りをする形になった。
わわっ。
ほんの微かにだが先生の手が触れた。
「っと、ごめん」
「いえ…」
ただの指導なんだし、別に謝る必要ないのに。
内心ちょっぴり首を傾げる。
先生はグリップから手を離すと今度はラケットの先を少しだけつまんで動かす。
と、私の腕も一緒に動く。
指、長いな…
「こんな感じ。分かった?」
「…っはい」
って、なに見てるんだ、私。
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