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新入部員はひたすら素振りの練習と玉拾いに励む。 皆が同じフォームで練習する中、私と知香を含めたたったの3人だけが違うフォームの練習をしていた。 卓球には戦型というものが存在し、大まかに分けて攻撃型と守備型がある。 それによって戦い方やラケットの種類まで違う。 私と知香がやっているのは守備タイプ。 卓球の中では稀なタイプであり、粘りと根気が不可欠。 他の選手とはまったく異なったフォームを身に付けなくてはならない。 もちろん、皆が練習している基本形のフォームを覚えることは大前提なのだが。 というわけで、この3人だけは今日からこの新しいフォームの仕方を先生から個別のメニューで教わっているところだ。 「よーし、休憩!昼飯にしていーぞ」 先生のその一声で部員全員が一気にだらける。 先生はそのまま部室を出て行く。
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