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「ここ、ランニング行こう」
「あ、う」
「私も一緒に行っていい?」
私が答えるよりも早く、後ろからみきちゃんがやってきた。
「いいよ、んじゃ皆で行こっか!」
知香はそう言うと先立って歩き出す。
「あ、あの。私はいいや」
「そうなの?」
「うん」
「んじゃちょっと3人で行ってくるね」
「うん」
遥加はいつもと違う私の様子に何か感じとったようだが特に何も言わずに3人で出て行った。
ふぅ。
なんだろうなんだか泣きたい。
午後の練習が始まり皆真剣に取り組んでいる。
でもちょっと限界がきている。
プレハブを出ると二階建ての階段の端っこにちょこんと座り込む。
あ、なんか今すごくネガティブだ。
階段に座ると一気に気が緩んだようで堪えていた何かがポロポロと溢れ出した。
ぐす…ひっ…
嗚咽が漏れる。
少しだけここで泣かせてもらおう。
自分でもよく分からない涙。
ここで全て流してスッキリして、そうすればまた元に戻れるから。
トン…
どれくらいそうしていただろう。
誰かが階段を登ってくる気配で思わず顔を上げた。
…清水先生と目が合った。
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